uncle_pohの音楽覚書

音楽に関して考えたこと、感じたことを書きます

スズキ-チェロ教本感想:5-6巻

 前回の記事の続き。

スズキ5巻

 ヴィヴァルディのソナタ全楽章、ダンス・ラスティックとバッハのアリオーソの小品のあと、ついにゴルターマンの協奏曲が出てくる。

  •  ヴィヴァルディ-ソナタ ホ短調 op.14-5:1楽章 Largo

     マルチェロと同じホ短調ソナタ。形式も同じため(緩ー急ー緩ー急)、混同しそうになる。しかしこちらは最初からハ音記号で音も高い。トリルも多い。遅い曲のトリルは遅く、との注意書き。M.10のシーラソドファは上の指遣い(ソを3)だと取りにくいので、普通にソを4で取って3ポジに飛んだ。

     M.12-13のラファ#レ#シー、ソミド#ラーと下がってくるところの音程が取りにくい。ハーモニクスのラからファ#(しかも拡張)が何回練習しても安定せず、一番の聴かせどころなのに残念だった。1回目と2回目で同じように弾かないようにとの注意書きも。今なら強弱、弾く弦などを変えて少しは変化を出せるかも。

  •  ヴィヴァルディ-ソナタ ホ短調 op.14-5:2楽章 Allegro

     これもマルチェロソナタと同じく苦労した楽章。苦労していない曲などないが、できないという印象が強烈だったのがM.29-32の16分音符の移弦つきスラー。ここは重音で練習して、動きが速いので右手は腕ではなく指(ないしは手首)で移弦する感覚で、と教えられた。例によって遅いテンポですぐに次の楽章に行ってしまったので、未だに弾けないと思う。

     M.3-6の8分音符の跳躍は、最初はどこでどの音を取るか分からなかったが、慣れてくると楽しくなった。ほぼ全部指番号が振ってある。特にC線の3ポジ(ファ#を1で取る)はこれまで出てなかったと思う。

     M.17は移弦とA線の開放が嫌で全部D線で取ろうとしていたが、音程が安定しないので結局1ポジで取った。

     M.23の下のソ#をC線の4で取るのが難しい。2ポジの拡張に行くだけだが、速い16分でのポジション移動なのでこれも安定しない。

     そして問題のM.29-32のあとは主題を繰り返して終わり。冒頭とまったく同じかと思いきや、M.3は3拍目からに対しM.34は1拍目から始まり、M.38でシドシーが1回多くなっている。少し帳尻合わせ感があるような。

  •  ヴィヴァルディ-ソナタ ホ短調 op.14-5:3楽章 Largo

     この楽章も音程が取りづらい。1楽章もだが、冒頭からハ音記号でやる気がそがれていた覚えがある。今は多少慣れたけど。

     M.4のD線でレを3で取る、普通に6ポジで取りにくい。しかも2、3でのトリル。M.5のソーソのオクターブ下降も音程のずれが分かりやすくて嫌。

     M.7ではC線で4ポジ(シラソ)が出てきて、押さえる力が弱いともごもごした音になりやすい。

     M.9のシを2で取った後のレ#ド#シも1ポジの拡張だけど地味に嫌だった。最後はパヴァロッティが歌っているイメージで堂々と終わるように…。先生は3大テノール、中でもパヴァロッティが好きでよく話に出てくる。

  • ヴィヴァルディ-ソナタ ホ短調 op.14-5:4楽章 Allegro

     この楽章も音程が取りづらい、とこれしか言っていないが、とにかくこのホ短調ソナタは2楽章以外音程が取りづらかった。4楽章はAllegroで2楽章同様速い。そして頻繁なポジション移動。さらに3/8拍子で弓順が混乱しやすい。あまりにも適当だったためか、3、4楽章についてはもう一回と言われている。

     M.10の音型は4回出てくるが、最初の音がレ#とソ#という、なんとも取りにくい音。そしてそれを1で取る必要があるのが嫌らしい。レ#ファ#ミレ#ド#シのド#でのポジション移動も16分音符の中で難しい。

     直後のM.12最後のド#シからM.13のファ#に飛ぶのができず、ド#シをD線で取るようにしてみるも、これもいまいちしっくりこない。

     M.23-25は拡張→普通→拡張で少し取りづらい。

     後半、M.32-35は半音が多く、1小節ごとにポジション移動なので8分音符なのに忙しい感じがする。M.39の2、3指でのトリルも地味に嫌。

     M.46、48の下降音型での16分音符ポジション移動は音程が合わない。しかも遅れる。特に48は移動先で4で取るのでちゃんと押さえないと音程が不安定になりがち。

     M.66-67、最後の最後が一番難しいという。Rallentandoがついているとは言え、ソシミシソミ ファ#シレ#シファ#レ#、移弦ありの拡張で16分音符。ポジション移動がないものの、これはかなりゆっくりじゃないと弾けない。特に67が難しかった。

     ソナタの感想を総じて見返すと、難しい、音程が取りづらいと文句しか言っていない。弾いているのは楽しかったが、難しさのほうが勝っていたんだなぁとしみじみ思う。ヴィヴァルディとマルチェロソナタはいつ弾いても学ぶことがありそう。今でも弾ける気はしないけど、練習当時よりは今のほうが余裕をもって弾ける自信はある。いつかまた弾こう。

  •  スクワイア-ダンス・ラスティック op.20-5

     ヴィヴァルディのソナタとは打って変わって弾きやすい!大好きな曲。そもそもスクワイアという作曲家を知らなかったのでまず調べるところから。

    ナクソスHPからの引用:

    www.rakuten.ne.jp

     1890年代後半から1920年代後半にかけて、英国で活躍したチェロ奏者ヘンリー・スクワイア(1871-1963)。(中略)  実は、彼自身も若い頃(18歳から33歳くらいまでの間)に、数多くのコンサート・ピースを作曲していて、これらは彼の持ち味であるポルタメント(2つの音の間を滑らかに繋げて、情感を込める奏法)が多用された、親しみやすく平易な作風のものばかり。(後略)
    -----ここまで引用----

     つまりこのダンス・ラスティックも彼自身が弾くために作曲されたコンサートピースといえそうだ。1963年まで生きてて録音も残しているということだから、結構最近の人なのね。でも作風は調性音楽だから親しみやすい…しかもイギリスだから、ラスティック(いなかの)と言いながらもどこか気品がある気がする。

     Allegroで速いけど、頻繁なポジション移動もないし、あってもやりやすい(ひとつ前の音を違う指で弾くなど)。そもそもヘ長調で明るくてノリがいいから、何回でも弾きたくなってしまう。スズキ教本はこういう曲の配置がうまいなぁと思う。ヴィヴァルディみたいな曲ばかりだと、実力はつくかもしれないが確実にやる気はそがれていたと思う。

     M.21からは重音だけど、フォルテで開放との重音なので思いっきり鳴らして大丈夫。

     M.31-34はポジション移動を含む音階。でもこれが1ポジ→4ポジ→6ポジと実に上がりやすくできていて、そんなに怖くない。あとは右手をちょっと頑張ればそれっぽく弾けるようになる。

     M.51から中間部。変ロ長調で少し弾きにくくなる。M.54のソファミ♭ファソーミ♭ーのミ♭が、どんなにチューナーで音程があっていても、合っていないように聞こえた。

     M.71-81、個人的には一番難しかったところ。レからラへの跳躍や、A線ドレを2→1でポジション移動するレの音程が取りづらい。あとはM.78、79のD線ソ、A線ソのオクターブ移動は音程がばれやすくて嫌。

     最後の和音は、音階で上がりきったファからポジション移動はしないんだけど、音程(音自体?)がひどかった。4弦の和音で開放が入っていないのは、ちゃんと押さえないとそれだけで音程が狂いやすいので気をつける。

     スクワイアは6巻にも1曲タランテラが出てくるけど、これもチェロのために作ったんだなーということが分かるとても弾きやすい曲。学校教師とも書かれているから、学習者向けなんだろう。余裕が出てきたらほかの曲も探してみたい。

  •  バッハ-アリオーソ カンタータ156番より

     チェンバロ協奏曲の2楽章でも使われているので、バッハも気に入ったメロディだったのだろう。前にTwitterで呟いたが、こういうゆっくりした曲は音程がモロにバレるのであまり好きではない。6巻で出てくる白鳥とかもそうだ。よほど練習しないと曲にならない。

     M.2は、ヴィヴァルディのソナタ1楽章でも書いたが、5ポジくらいの和音(ソミドとかラファ#レ)が取りづらい。

     M.4-6は、4-5ポジのD線の拡張でちょうどネックの継ぎ目部分で音程が取りづらい。

     M.10はラの開放から上のドまでの跳躍。7ポジを一発で当てるのは結構難しかった。

     M.14-15は16分の三連、スラーの付き方が不規則なので慣れるまでが大変。ただ弾いていて気持ちいい部分でもある。

     M.16はテーマが戻ってくるが、これをD線で弾く…と音程が地獄。しかもppなのでしっかり押さえつつ、右手は圧力を減らして、だけどいい音で…難しい!

     M.18の最後のファーミファが、なぜか圧力がかかって変な音になりがちだった。

     M.20も終わりだけどG線でのポジション変更が多く地味に取りづらい!最後の最後まで気が抜けない曲だった。

  •  ゴルターマン-ロンド(協奏曲4番 op.65より三楽章)

     ついにコンチェルト。しかもあのゴルターマン!と思いきやゴルターマンの協奏曲は若い番号のほうが難しく、4番、5番あたりはだいぶ簡単になるらしい。まぁこのレベルの学習者にとっては難しいことに変わりはないけれど。

     大まかに5つの部分からなっていて、テーマが戻ってきたりすることはない。1部がM1-95、2部がM.96-115、3部がM.116-159、4部がM.160-199、5部がM.200-247。

     1部(M.1-)は右手の練習にとても良い。出だしのM.13-16はLeggieroで、M.17-20はMarcatoで(書いてあるとおり)、その対比を思いっきり出して。特にMarcatoは、軽く弓先で手首の返しを柔らかく、腕全体を使って…らしいけど手首を返しつつ腕を使う?で頭の中が混乱した。先生の演奏を見てもわからん。特にアップから始まるので、この弓遣いに慣れるのにも苦労した。

     M.62-63の形は何回も間違えたのか、かなり乱暴に弓順の書き込み。何をいらついているんだ自分…。

     2部(M.96-)はいきなり6ポジから始まるが、その前に間奏があるのでバッチリ確かめられる。左指で少し強く叩いて音を確かめると良い。下ってくる3連符は、楽譜を見ている余裕はないので早めに暗譜する。特に下りきる最後の4音はスラーということを忘れずに…ここと次の跳躍は右手も混乱しがち。

     3部(M.116-)はmolto grazioso ed affettuosoで優雅に愛情をもって。歌いどころですな。特に難しいところもなく、6ポジとかも出てくるが順次進行(ドレミファのように隣り合った音に進んでいく)なのでそこまで取りづらくはない。M.144はcon passione、情熱を持って思いっきり歌う。M.158はのドーファ#はrallentandoなので勝手にポルタメント入れてた。

     4部(M.160-)は2部で出てきた3連符が戻ってくる。スタッカートがついている音はなんちゃってスピッカートで弾いていた記憶。ポジション移動もないのでかなり調子に乗れる。M.176からは3弦にまたがるアルペジオ!ポジションさえ取れれば難しくはないので、最初はゆっくりから確実に。。M.182はハーフポジションということが分からずCGD線で取っていたが、弾きづらすぎたので再度見直したら気づいた。

     5部(M.200-)はコーダ。付属CDだと、ただでさえ速いのがここから更に加速してもはや演奏不可能と思うくらい。M.176からと同じような3弦のアルペジオだけど、こちらの方が取りやすい。M.215はダウンが長いのであまり弓を使わないようにしないと、3回繰り返すうちにどんどん弓先に行ってしまうので注意。M.231からCDだと更に加速。brillianteとしか書いてないのに!M.237-240は速い中でのポジション移動が難しい。一瞬で過ぎ去るけど音程が取れていて欲しい部分。取れないけど。

     当時の演奏はコレ:

     

 

スズキ6巻

 ついにあの白鳥。ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲があり、スクワイアのタランテラ。4巻で好きだったソナタを書いたブレヴァールの協奏曲、そしてヴィヴァルディの2台のチェロのための協奏曲。

  •  サン・サーンス-白鳥 (動物の謝肉祭より)

     チェロといえばコレ、の白鳥。個人的には、子供の頃に母が聴いていた英会話CDのBGMで延々と流れていて辟易していたので、あまり好きではない。が、れっきとした名曲!動物の謝肉祭では、ピアニストと化石でサン・サーンスの皮肉たっぷりジョークを楽しんだ後、終曲の前の束の間の休息といったところ。

     5巻のアリオーソでも書いたが、こういうゆっくりな曲は音程がとにかく目立つ。そして大雑把な性格の私はだいたいこんなもんか、で取るから、微妙にずれていることが多い。すると、人型ロボットの不気味の谷じゃないが、合っていないんだけど凄い外れているわけでもないので、思いっきり外しているよりも聞くに堪えない演奏になったりする。弦楽器に向いていない性格のような気もするが、とりあえず弾くのが楽しいうちは頑張ろう。

     M.2の弾き始めでポジション移動が3回。ポルタメントは入れすぎないように注意。

     M.4-5のファ#→シを3の指で飛ぶところは確実に当てる。これが当たらないとその後も全部だめになる気がする。

     M.8-9はロ短調旋律的音階だけど、弾きづらい。。レは8ポジ!?次のM.12でまた上のドを当てるのも難しい。親指ポジションでD線使えば簡単そうだが、ここではまだ習得していないので、教本通りで。

     M.24から最後までずっとD線。ハイポジになるほど押さえづらくなるのでそこは気合でちゃんと押さえる。時間はたっぷりあるから、少なくとも最後のソは確実に取れるように頑張りたい。

  •  ヴィヴァルディ-協奏曲ニ長調 op.3-9 RV.230

     もともとヴァイオリンの協奏曲を1オクターブ下にチェロ編曲されたもの。付属CDを最初に聴いた時は、ずっと16分音符で弾いていて無窮動的な、それにしてはつまらなそうな曲だなーと思ったが、弾いてみるとその考えは全く逆だった。結論から言えば、5、6、7ポジションの非常に良い音程練習になるため、今でも指ならしのために暗譜で弾いているくらいだ。もともとそういう目的で作られた曲ではないかと勘ぐるぐらいに、ずっとそのあたりのポジションを弾いているのだ。そしてほぼ16分音符で動いているので、ポジション移動も速く正確に行う必要がある。

     最初はバロック時代の組曲の序曲風に堂々とTutti(合奏)。M.9からはSoloが始まり動きを出して、ここからほぼ絶えず16分音符のパッセージが続く。M.16からTutti、M.20からSolo、M.25のアウフタクトからTutti、M.27のアウフタクトからSolo、M.33でTutti、M.38からSolo、M.40でTutti、M.42からSolo、M.48のアウフタクトからTuttiで最後まで。協奏曲といいながら合奏協奏曲の形式に近いように思う。

     M.2、3の一発目の音はポジション移動をしつつの3ポジ、1ポジの1の音。これが重要な音だが地味に取りづらい。M.4-5は3→4→5→6→5→4とポジションが移動するが、私の場合高いポジションに行くにつれて左手が傾くので、その傾き加減を調整しないと全然いい音で取れない。これに気づくのに結構かかった。

     M.11-13は同じような音形で下がる。ここには強弱記号はmfとしか書いていないが、ずっと同じ感じでいくとつまらないので何か変化をつけるようにと教えられた。M.20のド#レド#シラ↑ラシラとラの開放でオクターブ飛ぶ部分、開放があるから簡単かと思いきや案外時間がなく、左手の形もかなり斜めの状態にする必要がある。M.26のトリルは34で取るので単純に苦手。

     M.27-28でレから上のシに飛ぶのも先程同様。M.28にはまた34のトリル。

     M.40はM.4-5と同じで音程が取りにくい。M.42-44はエコー(同じ音形の繰り返し)が多いので、同じように弾いてつまらなくならないように。

     M.48からはコーダ、冒頭のM.6からと同じで華々しく終わる。

     当時の演奏はコレ:

      

  •  スクワイア-タランテラ op.23

     5巻のダンス・ラスティック以来のスクワイアの曲。この前のページに親指ポジションの練習があり、この曲は親指ポジションの導入といったところだろうか。

     ダンス・ラスティック同様、弾きやすく書かれており、親指ポジションも2箇所しか出てこない。しかしそれにしてはタランテラでテンポもAllegro con spiritoと速めなので、親指ポジションというよりはお楽しみ曲といった風合いが強い気がする。親指ポジション導入については次のブレヴァールの協奏曲の方がそれっぽい。

     タランテラ、6/8で短調、急速な舞曲。毒蜘蛛のタランチュラに噛まれた毒を抜くための踊りとか?踊ったらその分速く毒が回らないんだろうか?なんて思ってしまうが詳細は分からず。まったく違う説では街の名前が語源とも。3部形式(A-B-A-Coda)で、AはM.1から、BはM.73、後半のAはM.150、CodaはM.213から。Aは全く同じなので実質2ページの曲。

     性格的に速い短調の曲は好きなのだが、この曲も例に漏れず好き。そして弾きやすい。

     M.23-24のシドレミファ#ソ#ラとあがるのも、思ったよりは難しくない。最後のラもフラジオで取って良い。

     M.32からは、ダンス・ラスティックでもあった開放弦との重音。ffなので十分に鳴らす!M.40からはスラーが少し変則的だが、慣れれば大丈夫。

     M.63で初めて親指ポジションが出てくるが、すぐに終わってしまう。しかもこの急速な曲で、音階でのポジション移動して親指ポジションなので、結構難しい。次のブレヴァールの協奏曲ではちゃんと位置を確認してから親指ポジションが始められる。

     M.73から中間部、ニ長調。十分に歌えるメロディーで気持ちいい。M.93からスタッカートはなんちゃってスピッカートで。

     M.105から平行調ロ短調。M.107でラ#をD線からA線で取り直すのが難しい。でもD線のまま行ってもあまりA線に行くいいところはないので、ここで頑張るしかない。M.121でニ長調に戻る。

     M.138-M.149は主題(M.150)に戻るブリッジだが、ここがなんとも言えず好きなところ。M.140のラのフラジオはおしゃれに取りたい。

     M.150からはM.1からの繰り返し。

     M.221から急にプレストで更に速くなり、CDのテンポには一切追いつけなくなる。ダウンが8分音符1つでアップが残りの5つで、弓の使う量のバランスが難しい上に、地味なポジション移動の連続で頭真っ白になる。ここが弾けるとカッコイイんだけどなぁ…。

    当時の演奏はコレ:

      

  •  ブレヴァール-コンチェルト第2番 ニ長調

     改めて親指ポジションの導入。コンチェルトも3曲目ともなると嬉しさよりもどんな難題が待っているんだ、と思いきや、この曲は案外弾きやすい。と思うのは親指ポジションを他の教本(他の記事で書いた、Rick MooneyのThumb Position)で練習済みだったからだろうか。ゴルターマンのような右手の難しさもそこまでなく、ヴィヴァルディのような左手のいじめのような5,6,7ポジションもない。親指ポジションを楽しみながら身につけられる曲だと思う。

     ロンド形式、Allegretto。と言いながら付属CDではAllegroぐらいの速さに感じるけど。曲の構成はA-B-A-C-Aで、AはM.1、BはM.23、2回目のAはM.66、CはM.88、3回目のAはM.140。Aは全部と、Bの一部分に親指ポジションが出てくる。

     M.1から親指ポジション。十分に場所を確認してから、基本のポジション(A線のA、D線のD)に置く。最初はpでLeggieroだが、指示通り軽く弾いたら小さすぎるとの指摘。pといっても協奏曲なのだから、ホールの後ろにまで届くようなpで弾けとのこと。難しいよう。

     親指ポジション練習していたから簡単だ!と思いきや、M.16のソラで毎回つまづく。ソはD線の3、ラはA線の0(親指)で、移弦付きスラー。これが難しく、ついに最後までできなかった。今は基本ポジション以外も習ったので、23を少し伸ばして、2(ソ)3(ラ)で取ることで解決。

     M.23からB。あまり難しいところはない…と言いたいところだが、M.47-48のイ長調音階。レミファ#ソ#を1313で上がり、ミレド#シを3131で下がるのも速いテンポだと音程が取りにくい。M.51からまったく同じことを、今度はpで親指ポジションで弾き、弾きやすいなぁと親指ポジションの良さを実感させられる。(ポジション移動なしでできるため)

     M.88からC。同主調ニ短調、ここは難しいところもほぼなく、歌いどころ。M.118-119が短い弓の返しでやりづらかった。手首を柔らかくして16分音符もちゃんと弾ききってから返さないと、慌てた感じになってしまうので注意。

     個人的に好きなのはAに戻る前、Bの最後やCの最後でゆっくり親指ポジションに持っていってくれること。スクワイアのタランテラはいきなりの親指ポジションだったけど、この曲では準備があるので自信をもって親指ポジションを始められる。

     あとはAを繰り返して終わり。

  •  ヴィヴァルディ-2つのチェロのためのコンチェルト
      ト短調 RV531 1楽章

     いよいよ6巻も最後。協奏曲祭りも終わり、これ以降9巻(インターナショナル版、1冊ハイドンハ長調協奏曲)まで協奏曲は出てこない。が、この協奏曲はあまり好きではなかった。なんというか地味で、おそらく実際に2台のチェロで弾いたら掛け合いが面白かったりするんだろうけど、1台でずっと練習するのはイマイチだった。音階とか分散和音ばかりなのも大きいかも。レッスン時に先生と合わせるのは確かに楽しかった。

     形式は一応ソナタ形式?になるんだろうか。提示部はM1からTutti、M.17からSolo、M.19からTutti。M.27の3拍目から展開部でSolo、平行調変ロ長調へ。M.39の3拍目からTutti、M.46からSolo、M.61からTutti、M.69からSolo、M.76の3拍目裏からTutti、再現部。M.80からSolo、M.93からTuttiで終わりまで。

     せっかくCello 1もCello 2も楽譜があるので両方見る。

    --------Cello 1

     冒頭から1→1のポジション移動が3回、取りづらい。M.6からの分散和音は2台チェロで弾くととても気持ちが良い。

     M.9は1弦跨いだ10度の跳躍。ブレヴァールのソナタを思い出す。

     M.12とM.14のトリルはどちらも34なので嫌。M.16は拡張トリルなのでこれもちょっと…。(トリルは12か13でお願いしたい)

     M.33から、もっと弓を使えと言われた。pだからと遠慮する必要はないらしい。例によってホールの一番うしろまで聴こえるpで。

     M.51から、それまで上がっていたのが下りになり、ポジション移動が難しい。そしてその後M.55-57のハ短調のパッセージ、冷静にやればそこまで取りづらくないはずなんだけど、譜面が難しそうなので慌てるのか、うまく弾けなかった。弓順もこんがらがりやすい。

     M.65からの音形はM.19の反行型、4小節続いてどこまで行くの!?となったところでM.69からのSolo。M.74-75が変ホ長調の音階だが、ポジション移動のタイミングが中途半端なところ(4つずつとかではない箇所)なので覚えづらい。

     M.84のオクターブは難しい。1回1回ソソファソを下がって上がってとやっていると音程が。。

    --------Cello 2

     Cello 2の方が少しだけ易しめかも。音域的にも少し低かったり、繰り返し回数も少し少なかったり。

     冒頭、Cello 1より1小節遅れで入り、3度下を弾くことになる。M.9-10はCello 1でも難しかった箇所。3度低いからといってここの難易度は変わらず。

     M.58の3拍目裏から、Cello 1を引き継いで同じパッセージ。Cello 1で慣れていれば同じことをやるだけ。

     M.71の3拍目からは指使いが慣れるまで少し大変かも。M.74-75の変ホ長調音階はCello 1と同じでポジション移動のタイミングに慣れが必要。

     M.85からのオクターブはCello 1と難易度変わらず、少しだけど毎回のポジション移動が嫌。

    --------

     この協奏曲に対する思い入れのなさが字数に表れている!やっぱり思い入れのある曲はあれこれ書きたくなるんだなぁ。

     いずれどこかで2台チェロで弾いたら印象も変わるんだろうか。

 というわけで、5-6巻を見てきた。当初は5-8巻まで同じ記事にする予定だったが、この時点で1万字を超えてしまい読みづらさもMaxなので、ここでまた一旦区切ることにする。

 感想というより練習メモだし、誰が読むんだとも思うが、一応記録として。