uncle_pohの音楽覚書

音楽に関して考えたこと、感じたことを書きます

チェロ教本-Rick Mooneyについて

 チェロの先生がアメリカ人ということもあって、アメリカの作曲家、チェロ奏者、教育者であるRick Mooneyという人の本を使っている。詳細はあまりWeb上にないが、おそらくスズキ関連の先生だろう(スズキ教本の伴奏本や、教本にもスズキ関連の曲が出てくる)。この本が、飽きっぽい私にとても合っていたので紹介したい。

 スズキ教本だけで進んでいくと、簡単な解説の割に急に難しいパッセージが出てくることがある。5-7ポジションや、6巻の親指ポジションなどがいい例だ。そういったテクニックをじっくりと解説し、短い曲で習得させてくれるのが教本の狙いだ。なのでスズキの副教本として使用するのが最適。もちろんそれ以外でも効率の良い練習になると思う。

 全部英語で書かれているが、簡単な英語だけ。また、曲のタイトルも調べると面白い。Moon Over the Ruined Trailer Park(荒れたトレーラーパークの月)とか、The Octopiece(8度の練習曲)とか。

 

 全体的な特徴として、

・曲が短い - 2nd cello含め1-2ページ、長くて3ページ (32小節くらい)

・曲に親しみやすい - クラッシックだけでなく、バッハのコラールからロック、ブギー、バラードなど多岐にわたるジャンル。アメリカ、イングランド民謡の引用や本人の自作曲も多数。

・Double Stops以外は全て第二チェロあり

 

 内容を少し見られるのでAmazonのリンクを貼るが、アフェリエイトなどはやっていないので、このサイトから売れても私には一銭も入らない。この本が売れて絶版とかにならないといいな、という思いで書いている。(もっとも世界中で結構売れているっぽいので心配なさそう。YouTubeにいっぱい演奏動画があがっている)

 

  • Position Pieces1, 2
Position Pieces for Cello

Position Pieces for Cello

  • 作者:Mooney, Rick
  • 発売日: 1997/06/01
  • メディア: 楽譜
 

  チェロのポジション別教本。1巻が2-4ポジション、2巻が5-7ポジション。自作曲メイン。

 1ポジ+各ポジションごとに章が分かれ、さらにupper(上への拡張)とlower(下への拡張)ポジションに分かれている。

 各章の最初に白黒写真で押さえ方と、何線の何ポジションをどの指で取ったら何の音が出るか?というクイズがある。私の先生曰くこれが一番大事だという。そして曲に続く。教本の最後には複合で、全ポジション(1巻は1-4ポジまで、2巻は1-7ポジまで)を使用した曲も。

 

  • Double stops
Double Stops for Cello

Double Stops for Cello

  • 作者:Mooney, Rick
  • 発売日: 1995/06/01
  • メディア: ペーパーバック
 

 重音オンリーの教本。アメリカ、イングランド民謡メイン。シーシャンティ(船乗りの歌)なども。

 これは解説などはなく本当に曲だけだが、順を追って難しくなる。具体的には、開放弦のみ、開放+押さえ、両弦押さえ、ポジション移動あり、拡張押さえ、3弦、4弦のアルペジオといった形だ。

 

  • Thumb position 1, 2
Thumb Position for Cello, Book 1

Thumb Position for Cello, Book 1

  • 作者:Mooney, Rick
  • 発売日: 1998/05/01
  • メディア: 楽譜
 

 親指ポジション練習教本。1巻がA線、D線のみの親指移動なし(弦長半分のハーモニクス部分)。2巻がG線を加えてポジション移動あり。指の開きのパターンを1つずつ習得していく。フィドル、カントリー、バッハのコラール、自作曲。

 章の最初にDaily Warmupがあり、その後曲に続く。

 自分で弾いてみたのはこちら。

 

 

  

 よく使用されるドッツァーやウェルナーなどは、古いし長いしあまり好きではないので、この教本に出会えて本当によかった。ウェルナーなどは勉強にはなるんだろうけれどもどうもモチベーションが上がらないので…